政治・経済・経営
絶妙な「断り方」の技術
by 七色カラス on 5月.19, 2010, under 実用書, 政治・経済・経営
絶妙な「断り方」の技術
ストレスを無くし、信頼関係を築き、損をしない「NOの言い方」
雨宮 利春 著、 2007年6月、明日香出版社
「謝罪」 → 「断り」 → 「断る理由」 → 「代替案の提示」
を軸に、「アサーティブ行動」や、「自己傾聴」など、様々な理論や概念を織り交ぜて、断り方を解説してくれている。
値引きや、無理な納品、無理な仕事の依頼などなど、様々なシチュエーションを取り上げているところや、各テーマごとに練習問題が挿入されている点も実践的。
イラストや図がたくさん入っているので、わかりやすくて、ささっと読めるので、どちらかというと、営業バリバリの経験者よりも、営業経験やお客様対応経験が少ない人向けの「断る」技術の入門書的位置づけだと思う。
失われた20年
by 七色カラス on 3月.07, 2010, under 政治・経済・経営
失われた20年
朝日新聞「変転経済」取材班 編, 岩波書店, 2009年2月 発行
2007年5月~2008年5月までの1年間、朝日新聞の経済面に連載した「変転経済-証言でたどる同時代史(計48回)」の約半分を選んで加筆し、2008年秋以降の動きを新たに書き下ろしたもの。
失われた20年の節目節目の事件や出来事を、政治家や官僚など、当時のキーパーソンが何を思いどう動いていたのか、ドキュメンタリータッチで、関係者の証言を交えて、時々刻々と伝える形式なので、流れがつかみやすい。
失われた20年のキーとなるそれぞれのエピソードで、当事者の受けた衝撃がよく伝わってくる。
まるで、
- 幕末のペリー来航と開国
- 太平洋戦争敗戦とGHQ主導による復興
を時代を変えて読んでいるような印象を受けた。
ただ、違うのは、現代の日本が、いまだ「明治維新」や「戦後復興から高度経済成長」に相当するポジティブな転換を見出せていないところ。
あるいは、非常によい戦略、施策を実行寸前で思いもよらぬファクターによって転換に失敗しているところ。
「この事件が起きたときには、自分はあの仕事をしていたな」などと思い起こしながら、読み進むと、あの時、あの時代に、金融や世界市場の裏舞台でこんな出来事が起きていたのかと、改めて、自分の無知を思い知らされた。
日本はなぜ貧しい人が多いのか
by 七色カラス on 1月.05, 2010, under 政治・経済・経営
日本はなぜ貧しい人が多いのか 「意外な事実」の経済学
原田 泰 著、 新潮選書
- 日本の地方にはなぜ豪邸街がないのか
- 給食費を払わないほど日本人のモラルは低下しているのか
- 若年失業は構造問題なのか
- 「均等法格差」は拡大したのか
- 地域間の所得格差は拡大したのか
- 世界に開かれることは厄介なのか
- なぜ中国は急速な成長ができるのか
- 企業の利益は、なぜ2007年まで復活していたのか
- 「大停滞」の犯人はみつかったのか
などなど、章見出し、項見出しをあえて区別せずに、興味深い項目を列挙した。 これらの各項目について、様々なデータと、データの分析方法を変えてみて、違う視点で「果たして本当にそうだろうか?」と見直してみる。
必ずしも答えが出ている項目ばかりではないけれども、いろいろな統計指標というものは、用途に応じて、元になるデータ、分析方法、分析の対象とする期間などを変えてみる必要があることがよくわかる。
たとえば、若年層の失業率というもの、時系列にみてみると、いつの時代でも、若年以外の全体の失業率に比例しているのである。 だから、今、若者の失業率が高いというのは、各世代全体に失業率が高い(要するに不景気)ことでほぼ説明がついてしまうという。若者の就業に対する考え方が急に変わったわけではないのである。
痛快でもある。
「身の丈起業」のすすめ
by 七色カラス on 12月.14, 2009, under 政治・経済・経営
「身の丈起業」のすすめ
それでも独立したい人へ 「自分に合った仕事」へのA to Z
一ツ橋総合研究所 著 講談社現代新書
バイブルのように持ち歩いて、ふと思い立ったときに、読みたいところだけ、少しずつ読む本。
この本を読んでみるのは二度目だ。一度目に読んだときは、既に個人事業主として起業し、荒波の真っ只中だった。そんな荒波の真っ只中の経営者には、あまり役に立たなかったのだ。
本書は、起業前の準備と、起業してからある程度 事業が軌道に乗ってからの心得に比較的多くのページが割かれているため、なんとか激貧から抜け出さなければならなかった個人事業主には、特効薬とはいえなかったわけだ。
しかし、一旦、個人事業主を廃業し、一歩引いた気持ちで読むと、「あぁ、あの時、ここの項を読んでおけば。。。」という箇所が随所にある。
是非、創業する前の、冷静で、日々の金策に走り回らずにいられる準備期間に、半分でいいから読んで欲しい。
アフィリエイトでめざせ!月収100万円
by 七色カラス on 12月.13, 2009, under コンピュータとインターネット, 政治・経済・経営
アフィリエイトでめざせ!月収100万円
―ウェブサイトでバナー広告収入を得る秘訣とは?
あびる やすみつ 著 秀和システム刊
アフィリエイトの仕組みをまったく知らない人が入門として読むには向いていると思う。
しかし、既にサイトを運営していて、少しでもアフィリエイトをやっている人が、うちのサイトの儲けをもっと上げたい!という視点から読むとあまり役に立たない。
また、2004年の発行ということで、アフィリエイトや検索エンジンを取り巻く環境も変化していることから、技術的な記述には注意が必要。
ただ、事例集として載っている各サイトが何をネタにして、どうやって稼いでいるかというところは役に立つ。
また、「中途半端なSEOは自らの首を絞める」という項は耳の痛い話でした。
さおだけ屋はなぜ潰れないのか?
by 七色カラス on 12月.06, 2009, under 政治・経済・経営
『さおだけ屋はなぜ潰れないのか? – 身近な疑問からはじめる会計学 – 』
山田真哉 著 (光文社新書)
サブタイトル – 身近な疑問からはじめる会計学 – にもあるように、本当に身近な疑問やエピソードから入って、初心者向けにわかりやすく解説してくれる「会計学」の入門書
- 利益の出し方
- 連結経営
- 在庫と資金繰り
- 機会損失と決算書
- 回転率
- キャッシュ・フロー
- 数字のセンス (この数字だといくら儲かるか? とか)
というような、会計の基本を、非常にわかりやすいエピソードから紐解いてくれるので、専門的に会計を学んだことがない人が、経営(あるいは家計のやりくり)に必要な知識を得るのに、非常にとっつきやすい。
- こんな住宅街にフランス料理店があって経営は成り立つのか?
- この店は、在庫山積みで、売れてそうにないけど、どうして潰れないんだ?
- 完売したのに怒られた
- えっ!100人に一人、無料プレゼント!?でも損しない?
(書籍中に記載されている正確な表現ではありません)
などなど、こんな話題から会計学の世界に惹きこまれる。
余談だけど、今だったら、『家電製品など、動かなくても無料で引き取ります。。。は、なぜ潰れないのか?』という続編を出して欲しい。
16人の成功事例に学ぶ 儲かるネットビジネス
by 七色カラス on 12月.04, 2009, under コンピュータとインターネット, 政治・経済・経営
タイトルのとおり、ネットビジネスの成功者16人の成功事例を紹介した本。
- ネットショップ
- ドロップシッピング
- アフィリエイト
- オークション
の4つの手法を活用して成功したネットビジネスを紹介している。
最も興味深く読んだのは、ドロップシッピングの成功者の事例。
『ドロップシッピングなんて、やっている人いるんだろか?』、『もしドロップシッピングで成功している人がいたとしても、それはほんの一握りだろうな』 という感覚を持っていたからだ。
やはり、ドロップシッピングで成功している人たちは、何か一工夫していたり、目の付けどころが違うという気がした。
この本が良いのは、具体的な事例を紹介しているので、ポイントを理解しやすい。 また、見開きの半分を使って、成功者のビジネスモデルを図解したりしている点もわかりやすい。 それと、それぞれの成功者たちからの『これから始める人へのアドバイス』という囲み記事があり、非常に参考になった。